愛side


私の腕の中でスヤスヤ眠る、絢。

可愛い。

私と双子なのに、性格は私と真逆で結構大人しめな性格だ。

私は姉御肌。

絢はお嬢様のような気品がある。

爽太に釣り合うのは絢なんじゃないかって思うほど性格がいい。

でも爽太はそんな絢より私がいいらしい。

私は絢のふわふわほっぺをつついた。

すると絢は「愛お姉ちゃん大好き」と言った。

私は思わず抱きしめた。

可愛いっ!双子なのに、絢はズルイ。

絢は多分甘え上手だ。

だから私もついつい甘やかしてしまう。

うぅ〜…、でも今のは反則だよぉっ!

しばらくすると悠斗と爽太が帰ってきた。

悠斗は絢を見るなり血相を変えてこちらにやって来た。

私は絢を起こして欲しくなかったから爽太に合図した。

すると爽太は頷き悠斗の腕を掴んで首を振った。

『あ''?』

『絢ちゃんは、寝てるだけ。』

『え?マジか?』

『うん、さっきたくさん泣いちゃったから泣き疲れて眠ったみたい。』

『よかった。』

私はゆっくりと絢を悠斗に渡した。

悠斗はまるで壊れものを扱うかのようにゆっくりと優しく抱きかかえていた。

絢は相変わらずスヤスヤ眠ってる。

結局絢が眠ってしまったため、悠斗はやむなく此処に泊まることにしたそうだ。

絢が起きたのはちょうど晩御飯の時で、寝起きで隣に悠斗がいると気づかず悠斗の方に倒れこんでしまったようだ。

絢は寝起きのトロンッとした目で悠斗を見ていたがやがて目が覚めたのか悲鳴をあげながら私達の元へとやって来た。

悠斗は「うるせぇ」といいながら絢の後をついてきた。

ふふっ、うるせぇと言ってる割には嬉しそう。

それに爽太が気づいたらしく悪餓鬼っぽくニヤリと笑って悠斗に「うるせぇと言った割には随分とニヤニヤしてんじゃねぇか。」と言っていた。

悠斗は激怒して爽太をぶん殴っていた。

爽太…御愁傷様です。

絢は首を傾げながらソファに座っていた。

絢…可愛い!!

私はそう思いながら絢に近づいた。