私と悠斗は一緒に部屋に入った。
そこに裕二の姿はなかった。
『愛お姉ちゃん、裕二は?』
『帰ったんじゃない?確か大切な人に会いに行くって言ってたよ?』
『そっか。』
別にどーでもいーけど。
一様元彼だし。
『なぁ、爽太。
俺、絢と一緒にもう帰っていいか?』
『えっ?別にいーけど…。』
『んじゃ、お幸せに。』
『あっ…ああ。』
『ちょっと待って。』
『どうした、絢?』
『愛お姉ちゃんと話をしたい。』
『分かった。爽太、悠斗とどっか別の部屋で話してて。』
『おう。』
『分かった。』
ギィー…
バタンッ。
『で?話って何?』
『愛お姉ちゃんは…。』
『何?』
『愛お姉ちゃんは…私のこと嫌い?』
『…。』
『私のこと憎いって思ってる?』
『…。』
『私…、邪魔?』
『絢っ、私は絢のこと好きよ?』
『えっ?』
『だって可愛い可愛い妹だもの。』
『だって…、私だけ本当の両親で愛お姉ちゃんは…親戚に預けられたんだよ?』
『別に私は絢のこと憎いとか邪魔とか一回も思ったこと無いわ。』
『…。』
『私それより絢に会いたかった。』
『…っ!愛お姉ちゃん!!』
私は愛お姉ちゃんに抱きついた。
私は泣いた。
子供みたいに声を出して…。
ごめんなさいとありがとうの言葉を繰り返しながら泣いた。
そして私は泣き疲れて寝てしまった。
最後に聞こえたのは「大丈夫だよ、絢は私が守るからね。」と私の髪を撫でながら愛お姉ちゃんが呟いた声だった。