『好きな人いたんだ…。』

『ああ。なんか本当は辛いはずなのにいつも笑ってて、俺よりもずっと繊細で寂しがりやで泣き虫で弱いんだ…。』

『そ…なんだ…』

そりゃいるよね。いつも笑ってる人ってやっぱり加恋しかいない。

『ん?どうした?』

『なっなんでもない』

言えないけど苦しい辛い。

やばい泣きそう…

私は目をギュッっと瞑る。

『あっ!ごめんね…私用事あるから。また後でね』

『お…おお。じゃあまた後でな。』

『あっうん。』

私は結局一回も目を合わせなかった。

パタパタパタパタ

私はもう我慢できなくて泣いてしまった。
『ふっ。
ふぇーん。ひっ。』

なんて最悪なんだ。裕二が心配してくれたのに…

『ひっ。…ふぇ』

どうして…どうして涙が止まらないの?

だんだん頭が痛くなってきた。

やばい、めっちゃ痛い…
クラクラする。

だんだん意識が遠くなる。

ドタッ

その音を最後に私は意識を手放した。