"トゥルルルル"
日曜日の朝、私の携帯に1本の電話が入る。
友達かな?って思い画面を見ると、見に覚えのない番号。
出ようか...
出ないか...
迷った上に結局出ることにした。
「もしもし」
「あ?もしもし?オレオレ」
オレオレ!?
まさか今ご老人を狙ったオレオレ詐欺的なやつ?
「あの、オレオレって言われてもわからないんですけど...」
「何言ってんの?」
こっちが言いたいよ...。
そのセリフ。
「廉。生田廉だよ」
生田廉。
聞いたことのない名前。
頭の中でいろんな記憶を引っ張りだすも名字すらひっかからない。
「生田廉なんて名前見に覚えありません。間違えて電話したんじゃないんですか?」
「佳純~。冗談言わないでくれよ~」
か、かすみ!?
私の名前は蘭なんだけど...。
この人、本気で自分が間違い電話したとは自覚してないよね。
この雰囲気的にさ...。
「私の名前、佳純なんかじゃありません。蘭、城田蘭です」
「城田蘭?聞いたことねぇな。わりわり、間違えて電話かけたっぽいな。んじゃ」
"ピッ"
間違い電話自覚してくれたのはいいけど、もうちょっと謝ったりしないの!?
あー、ありえない。
生田廉。
出会うことないけど一応覚えておこっと。