ぼそっと呟くお父さん。 もちろんあたしには聞こえない。

「えっ・・・ちょっ・・・」

親子揃ってよく引っ張るなぁ!!



「・・・・ちょっと来い!!」

俺は夏南の腕を掴んで階段を上っていく。

「えっ・・・ちょっ・・・」



バンッ

俺は勢い良く部屋のドアを閉める。

「は? 意味わかんない。」

俺だってわかんねぇよ。

「何で夏南が、ウチにいるんだ?」

「え? なんかうちのお父さんと渓登さんが友達で
遊びに来いって言われたから来たら、優助がいた……・・・みたいな?」

は? なんだそりゃ。

昨日親父が言ってた客って・・・・

「夏南のことかよ・・・」

「何よ、その顔!」

「何だよ、顔って。」

「ってか、何であたしは・・・」

夏南が言葉を発するを止める。

「夏南?・・・どうした?」

俺がうつむく夏南を覗き込むと、夏南が真っ赤になってた。