書き終わった手紙を、封筒に入れる。



彼女が乗る電車の時間に合わせて、家を出る。





駅につくと、小さな手で大きなカバンを抱えた君を見つける。



電車が来るまで、何の会話も交わさなかった。



掛ける言葉が出てこない。



やっぱ、手紙書いて良かった。



アナウンスが流れ、ホームに電車が入ってくる。



彼女は、「少しの間......」と一言残し、電車に乗ろうとした。



「待って」



彼女の手を取り、手紙を握らせる。



「電車の中で読んで」


彼女は小さく頷き、電車に乗った。