私は、教室の前に立っている
後ろ姿の彼の顔を覗き込む。


「やっぱり勇一だ!!!」


勇一が、後ろを向く。


でも私は、何も言えないんだ。


「やっぱねぇー!」


「すごいね、さな。」


「・・・ハハ。」


だって・・・好きな人だから。


「今、頑張れって言わなかった?」


・・・・・ぇ?


「誰が?」


「勇一が」


・・・いや、そんなはずは・・・


「勇一ぃ!今頑張れって言った?」


首を横に振る勇一。


やっぱりね。


「頑張れ。」


・・・ぇ