「昨日、もらいに行ったのになー」





「だから、ごめんってば」





渡したチョコを、朔が開ける。






「ふっ」




「あ……」




中はぐしゃぐしゃだった。





さっき飛びついたから……その反動で。





「ごめん、朔」





「いいよ別に、また作って?」





首を傾げながら言う朔にまた一つ胸が鳴る。





「うん、作るよ」




朔は頷くと、体を起こす。





そして、腰に回していた腕をどけ、あたしの頭に触れる。





朔の顔が近づいてくる。





あたしも、目を閉じる。