「心愛、何泣いてんだよ」





「そんなのどうでもいいでしょ!?それに、泣いてないし!」




肯定したあと否定するなんて馬鹿じゃない。





あたしは朔の手を振り払い、走り出す。




「あっ、心愛!」





朔の声を無視して、走ってホームに行った。





ホームに着くと、時間ギリギリだった。




「……はぁっ、間に合った」





あたしは、電車に乗り、ホッと一息つく。





早くこのまま帰ってしまおう。




朔と顔を合わせたくない。




1人の電車は、いつもより時間が長く感じられた。




家に着き、中に入る。