冷たい彼氏*。→溺愛彼氏*。







もう








我慢の限界だよ、ひろくん・・・















「もう別れちゃいなよ!!!」





そういってくるのは会社の同僚で親友の千尋(チヒロ)






「うーん・・・」




私は千尋にさっきのこと全てを話した



そして別れをすすめてくる








「もうこれ以上佳奈が苦しむ事なんてないじゃん!」





千尋が私のために言ってくれてること分かってる



でも・・・



「好き・・・なんだもん」



そんな彼でも大好きだから別れなんて選択なかった






「好きだから振るの!佳奈に甘えすぎ。」


甘やかして駄目男になってもいいの?とつけたした












そっか・・・そうだよね。



好きだから別れるって方法もあるもんね







それに・・・






もう辛いのは嫌だ・・・





苦しいのは嫌だよ・・・









ごめんね、別れよう。ひろくん・・・
















その日の夜別れようと彼の帰りを待った









ガチャッ





「お、おかえりっ・・・ひろくん。」





「・・・ん。」




もう深夜1時だよ?

起きてても"どうした?"とかないんだね












「ひろくん・・・話があるの。」






「・・・なに」



無表情のひろくんがこっちに視線をむける



思わず背筋が伸びるのが自分でも分かる







「ひ、ひろくん・・・わ、別れよ。」






さようなら。ひろくん。












「・・・なんで」




「・・・え。」




予想してなかった返事が返ってきて


思わず聞き返してしまった




「なんでって聞いてるの」



なんでって・・・




「しゃべる言葉が挨拶・・・ううん、会話がないなんておかしいじゃん。」







「・・・ごめん。」





ねぇ、どうして謝るの?



どうしてそんな顔を歪めるの?












ねぇ










どうして









泣きそうな顔をするの?













「ほんとにごめん」








そういってひろくんの瞳から涙が流れた








「なっ、なんでひろくんが泣くの?」













「ちょっ・・・」



いきなり



ひろくんが





抱きしめてきた









「佳奈・・・離れないでよ・・・好きだから」






「あのっ・・・待って・・・とにかくはな・・・して」







「いや、どっか行っちゃうじゃん・・・やだよ」






行かないよ?



泣いてるひろくんをおいて





どこか行けるわけないじゃない