初恋~大切な君へ~。



ひょこっと顔を出した男がいた。



『俺、今日転向してきた前島翔!!よろしく!!』



うっわ...美少年。



ニカッと翔は笑った。


『君は?』


あ、あたしもしないとか!!



「横山華奈...よろしく!」



『華奈か...。よろしくな!つか、何年?』



「高校2年生。だから翔の一個下。」



翔はおお!と言った。



---これが私と翔の出会った時。


あたし屋上行ってよかったって今でも思うよ。

行かなかったら翔に会わなかったから。


翔~side~



俺はクラスで勉強して、いろんな意味で疲れたから屋上に行った。



勉強も疲れた。けど一番疲れたのは



休み時間。



クラスの女達がこっちに来て



「どこから来たの〜?」「彼女いる~?」「好きな人いる~?」「なんでこんな田舎に来たの~?」



んな事を質問してきて、答えなきゃ悪いから



曖昧に答えたけれど。うるさくて。うざくて。



それが一番疲れた。




「はぁ...」


と溜め息を漏らし、屋上に来た。



ん...?



女がいる...?



こっそり見てみるとその女は寝ていた。



うっわ...美少女。



何年生だ...?



起きてから聞いてみるか。



そのこが起きるまで俺はずっと空を見ていた。



『...ん、今何時?』



起きたか?



「今4時だよ!」



『え...。えぇぇぇぇぇぇぇ!!』



うわ。びっくりしすぎ...。












『ん...誰?』



そりゃそうだ。



「俺!!」



といい



その子の方を見た。



その子はやっぱり美少女で...。



びっくりした。



『誰?』



「俺、今日転向してきた前島翔!!よろしく!」



その子はびっくりした顔をして、その子も名前を言った。


『横山華奈...よろしく。』



なんかさっぱりしている...。人を信じられないような顔をしている。



俺は聞きたかった質問をした。



「何年?」と質問をした。



『高校2年生。』と言った。



一個下...。



---俺は屋上に行ってよかったと思う。

行かなかったら会えなかっただろう...。

華奈に...。


だけど、今ではもう一つ思うことがある。


---俺に会わなければ華奈は、苦しい思いをしなかった。辛い思いをしなかった。華奈をめちゃくちゃにしたのは俺のせい。


と。なぜ、そう思うってなるでしょ。みんな。


そう思い始めたのは、あることが起きてから---

~華奈side~



---翔に出会ってから1ヶ月たった。



屋上に行けば、いつも会えた。



いつも話して。



あたしは翔に心を開いていた。


そして、翔に



---恋をしていた。



だけど、あたしに恋をするな!と言うかのように神様は意地悪なことをした。




あることがおきたのは



---3日前。







休み時間にみなみが慌ててこっちに来た。



「どうしたの?...息切らして。」



『そ...それがね...。』



ちなみに、みなみには翔が好きになったと言ったのだ。



そしたら応援するよ!とみなみは言ってくれた。



あたしは嬉しくてありがとう。と言った。



「で?」


あたしの耳元まで来てこう言った。



『落ち着いて聞いて。

翔くん...彼女できたらしいの。

翔くんと同い年で、めっちゃ美人なこいるじゃん?そのこと付き合い始めたらしい。』



...は?。


あたしは思考回路が停止したかのように動かなかった。


いや、動けなかった。



『...華奈?大丈夫?』



「誰から聞いたの?」



『...噂でちょくちょく聞いててさ、今日朝歩いてる時に見ちゃったんだよね。仲良さげに手をつないで歩いてるところ。で本当なんだと思って華奈に言った。』



「教えてくれてありがとう。」



あたしは泣かないように...。



「...屋上行ってくるね!!」



と精一杯泣かないように言った。



あたしは、すぐに教室を出て屋上へ向かった。



教室を出た時、みなみが


『...いってらっしゃい』


と言っていた。



みなみなりに気を使ってくれたんだと思う。




ありがとう。とあたしは心の中で言った。




屋上に行き、いつもの場所...ではなく



誰かが来てもあたしがいるとわからない所に来た。


---いつもなら翔がいた。


もういないんだ。


そうだよね...。彼女できたんだもんね...。


もし、翔に会ったら



おめでとう!!と言おう。






そんなことを考えていたら


涙が出てきてしまって...。



声を出さずに泣いた。



あたしが泣いたって翔は来ない。



あたしが泣いたって翔はあたしの彼氏にはならない。



あたしが泣いたって翔は関係ない。



あたしが泣いたって翔は迷惑なだけ。



---あたし決めたよ。



翔...あたしはあなたから離れる。










本当なら離れたくなんかない。



けどこれ以上一緒にいたら、自分が苦しくなるから。



ごめんなさい...。いつも自分勝手でごめんなさい...。



---翔。さようなら...


あたしは3日前、翔から離れると決めた。



それはあたしの為でもあって、翔の為でもある。


たどちらかといえばあたしの為だけかもしれない。



あたしは、翔から避けはじめ3日経った。



あたし達は今屋上でご飯を食べている。



みなみとあたしで。


『本当にさよならしたんだね。』



「うん。それは二人のためだと思うから。あたしと翔の...。」



『...そうなんだね。』



『華奈ー!!久しぶりー!!』


あたし達が話している時に誰かがあたしに話しかけた。


嫌な予感しかしなかった。



あたしは声のした方を向くと、予感は的中。


---翔だった。



あたしはなるべくいつものようにしながら言った。



「翔久しぶり!...おめでとうね。付き合ったんでしょ?あの美人なこと。」


『...あ、うん。』


「おめでとう!お幸せにね!」


『ありがとう。』


「翔...あたしと翔はさようならしよう。」



『は...?』


『なんでだよ!』


「あたしの為でもあって翔の為でもあって、彼女さんの為でもある。彼女さん妬いちゃうでしょ?そしたら大変だもん。可哀想だし。」


「だから...さようなら。」


あたしは翔に喋らせず言った。



「最後に...彼女さんとお幸せにね!」



あたしは涙を我慢し、言った。



その後



「みなみいくよ!」と言い教室に戻った。