初恋~大切な君へ~。



---あたしが舞さんに過去を話してから何ヶ月たっただろう....?



まだ桜がパラパラ舞う季節にあたしは舞さんに過去を話した。



今は、もう冬。



桜ではなく、もう


雪が降っている。



あたしはあの決心してから



翔とは喋っていない。



翔と会ってしまうと避けて喋らず通り過ぎる。



あたしはあからさまに避けていた。




---あたしはどこから間違えていたのかな....。



間違えていなければあたしは、翔を苦しめることはなかった。


ごめんね....翔。

~翔side~



俺は避けられている....。


---華奈に。



理由はわからなくはない。



彼女の舞から聞いたんだ。ほんの少し。



『華奈ちゃんに....、舞さんがそばにいてあげてください。って言われたの。』


『華奈ちゃん....。もう翔と関わるつもりはないって言ってたの。』



---華奈は俺と舞の邪魔をしたくないと思って


関わるつもりはないっていったんだと思う。




俺が卒業するまで、あと2ヶ月もない。



その間に自分の気持ちを言えるだろうか?








いや言わなくちゃいけない。



俺の今の気持ちと



---俺の過去を。



けして俺の過去はいいものじゃない。



嫌なことばかりだった。




だけど、華奈には言おう。



いや言いたいんだ。


俺の過去を。


あれから2ヶ月ほど経ち



今日は翔の卒業の日だ。



正直な所、さみしい気もする。



好きな人に会えなくなってしまうんだから。




避けていなければもっと一緒にいれたのかな。



後悔することばかり。


あたしのせいなのに....。







『おっはよー華奈!!』



「おはよーみなみ」



注意をしていたら、抱きつくくせは直った。



『華奈....いいの?自分の気持ち伝えなくて。』


「いいの。今更言ったって翔と舞さんを困らせるだけでしょう?」


『華奈....。』



「みなみ!卒業式終わったらご飯食べに行こ!!」



『ふぇ?....わかったよ!! 』



みなみは今でも心配してくれている。



みなみもごめんね。



そしてありがとう。





あたし達は学校に着き、卒業式の最終チェック。



『みんなー!!もう着席しとけ!!』



着席....。


『華奈....いよいよだね!!卒業式。』


「私が出ますふうに言ってるけどあんたは出ないんだからね」



『はーい。』



卒業生が学校に着き準備をしていた。



『今から平成2〇年度○○高校...卒業式を始めます。』



と始まった卒業式。




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『卒業生退場。』



3時間くらいに及ぶ卒業式は終わった。



あたしは教室に戻るため歩いていた。



『ちょっときて。』



誰が言ったかは一瞬にしてわかった。



翔だ。




翔に腕を引っ張られ来たのは屋上。



「卒業おめでとう!!」



『ありがとう。なぁ、華奈...俺の今の気持ちと俺の過去聞いてくれるか?』



「うん。」



あたしは翔の気持ちと過去を聞くことにした。







「まずは俺の過去。」



俺は卒業式を終え、華奈に気持ちと過去を言うことにした。



「俺は小さい頃、親を亡くしてる。今はおじさんおばさんのところで暮らしてる。親は俺を庇って交通事故で死んだんだ。俺がボールを道路に出しちゃってボールを取りに道路に出た。トラックが来るとは知らなくてさ、
俺はトラックが来てると知って道路に立ち尽くした。その時に親が俺を庇い事故にあって死んだ。」



「俺のせいで親は死んだ。」



華奈を見ると、泣いていた。



「それから自分がずっと憎くてしかたがなかった。だから自殺だってしようとした。リスカだってしようとした。けどやめたんだ。
親は、俺を庇って死んだ。だから親の為にも俺は生きなきゃならない。って思ってやめたんだ。」



『...うん。』



「それから俺は、自殺しようと思わなくなったし、生きようと思った。そして、笑顔でいようと決めた。」



「これが俺の過去。」


『...話してくれて

...ありがとう。』



「次は俺の気持ち。」



「俺は、華奈に避けられてるって気づいて辛かった。理由は言わなくてもわかるよ。舞から聞いたから。だいたい。」


「...おれ、華奈が好きだったと思う。だけど舞がいる。だからちゃんと伝えられないけど。」



『うん。』



「今までありがとう。これからもよろしくな!!」



『うん。』








さようなら







翔の過去を知り、次はあたしの番。



「翔、あたしの過去も聞いてくれる?」



『うん。』



あたしは舞さんに言ったのと同じように翔に過去を話した。



すべて話し終わったあと...


『華奈も辛い過去があったんだな。』



「うん、」



「あたしの気持ちも聞いて。」



『うん。』



「あたしも翔が好きだったよ!!ずっと。初めて会った時から!!あたし翔の事諦めたから...舞さんと幸せになってよ!!」



『うん。』



あたしは笑顔でそう言った。



「翔...今までありがとう。そしてごめんなさい。翔には沢山謝らないといけない。そしてこれからもよろしく!!」



『うん。』




あたし達は、最後まで笑顔だった。