初恋~大切な君へ~。



「舞さん泣かせてごめんなさい。」



『え...? 』



「舞さんあたしの話長くなるけど聞いてくれますか?」


『あたしでよければ...。』



あたし達は座り、あたしは話を始めた。





「...あたしには誰にも言えない秘密があるんです。一個は、人を信じるのができないんです。」


「中学生の時にあたし信用していた親友に裏切られたんです。あたしの彼氏を奪ったんです。その親友に裏切られてから人を信じるのが出来なくなってしまって...。人は、簡単に裏切り裏切られる。だから人を信じれないんです。」



『...そうなんだね。』


「はい。」




『もう一つあるんじゃない?』



「はい...。」


「もう一つは、昔いじめられてたんです。
今さっき言いましたよね...。あたしの親友が彼氏を奪ったって。そのことを親友に言ったんです。そしたらそんなわけないじゃん。人のせいにしないでくれる?と言われたんです。前まで優しかったのに人が変わったように冷たく言ったんです。」


『うん。』



「その後、親友の友達があたしをいじめるようになって親友も参加しながらあたしをいじめたんです。それ以来、友達を作ろうともしなかったし信じようとも思わなかったんです。」



『そんな辛い過去があったんだね。』



「はい。」



『でもなんであたしに言ったの?』



「泣いている舞さんがあたしの泣いている姿に被ったから言ったんです。急にこんなあたしの話してごめんなさい。」



『いいよ。』



「舞さん、ごめんなさい。あたしのせいで辛い思いをしてしまって。」


「あたしもう...翔に関わるつもりはないです。ただお願いがあります。舞さん、翔のそばにいてあげてください。お願いします。」



『わかった。』



あたしの最後の翔への願い。



---舞さんと幸せになって。



舞さんはとても心優しくてあたしと大違い。



あたしなんかといるより舞さんといたほうがいいの。翔は。




幸せになってね翔....。舞さんと2人で。



あたしは決心したんだ。



翔に関わらない。


翔に会わない。



と決心したんだ。



翔。ホントのホントにさようなら---







---あたしが舞さんに過去を話してから何ヶ月たっただろう....?



まだ桜がパラパラ舞う季節にあたしは舞さんに過去を話した。



今は、もう冬。



桜ではなく、もう


雪が降っている。



あたしはあの決心してから



翔とは喋っていない。



翔と会ってしまうと避けて喋らず通り過ぎる。



あたしはあからさまに避けていた。




---あたしはどこから間違えていたのかな....。



間違えていなければあたしは、翔を苦しめることはなかった。


ごめんね....翔。

~翔side~



俺は避けられている....。


---華奈に。



理由はわからなくはない。



彼女の舞から聞いたんだ。ほんの少し。



『華奈ちゃんに....、舞さんがそばにいてあげてください。って言われたの。』


『華奈ちゃん....。もう翔と関わるつもりはないって言ってたの。』



---華奈は俺と舞の邪魔をしたくないと思って


関わるつもりはないっていったんだと思う。




俺が卒業するまで、あと2ヶ月もない。



その間に自分の気持ちを言えるだろうか?








いや言わなくちゃいけない。



俺の今の気持ちと



---俺の過去を。



けして俺の過去はいいものじゃない。



嫌なことばかりだった。




だけど、華奈には言おう。



いや言いたいんだ。


俺の過去を。


あれから2ヶ月ほど経ち



今日は翔の卒業の日だ。



正直な所、さみしい気もする。



好きな人に会えなくなってしまうんだから。




避けていなければもっと一緒にいれたのかな。



後悔することばかり。


あたしのせいなのに....。







『おっはよー華奈!!』



「おはよーみなみ」



注意をしていたら、抱きつくくせは直った。



『華奈....いいの?自分の気持ち伝えなくて。』


「いいの。今更言ったって翔と舞さんを困らせるだけでしょう?」


『華奈....。』



「みなみ!卒業式終わったらご飯食べに行こ!!」



『ふぇ?....わかったよ!! 』



みなみは今でも心配してくれている。



みなみもごめんね。



そしてありがとう。





あたし達は学校に着き、卒業式の最終チェック。



『みんなー!!もう着席しとけ!!』



着席....。


『華奈....いよいよだね!!卒業式。』


「私が出ますふうに言ってるけどあんたは出ないんだからね」



『はーい。』



卒業生が学校に着き準備をしていた。



『今から平成2〇年度○○高校...卒業式を始めます。』



と始まった卒業式。




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『卒業生退場。』



3時間くらいに及ぶ卒業式は終わった。



あたしは教室に戻るため歩いていた。



『ちょっときて。』



誰が言ったかは一瞬にしてわかった。



翔だ。




翔に腕を引っ張られ来たのは屋上。



「卒業おめでとう!!」



『ありがとう。なぁ、華奈...俺の今の気持ちと俺の過去聞いてくれるか?』



「うん。」



あたしは翔の気持ちと過去を聞くことにした。







「まずは俺の過去。」



俺は卒業式を終え、華奈に気持ちと過去を言うことにした。



「俺は小さい頃、親を亡くしてる。今はおじさんおばさんのところで暮らしてる。親は俺を庇って交通事故で死んだんだ。俺がボールを道路に出しちゃってボールを取りに道路に出た。トラックが来るとは知らなくてさ、
俺はトラックが来てると知って道路に立ち尽くした。その時に親が俺を庇い事故にあって死んだ。」



「俺のせいで親は死んだ。」



華奈を見ると、泣いていた。



「それから自分がずっと憎くてしかたがなかった。だから自殺だってしようとした。リスカだってしようとした。けどやめたんだ。
親は、俺を庇って死んだ。だから親の為にも俺は生きなきゃならない。って思ってやめたんだ。」



『...うん。』



「それから俺は、自殺しようと思わなくなったし、生きようと思った。そして、笑顔でいようと決めた。」



「これが俺の過去。」


『...話してくれて

...ありがとう。』



「次は俺の気持ち。」



「俺は、華奈に避けられてるって気づいて辛かった。理由は言わなくてもわかるよ。舞から聞いたから。だいたい。」


「...おれ、華奈が好きだったと思う。だけど舞がいる。だからちゃんと伝えられないけど。」



『うん。』



「今までありがとう。これからもよろしくな!!」



『うん。』