初恋~大切な君へ~。



そんなことを考えていたら


涙が出てきてしまって...。



声を出さずに泣いた。



あたしが泣いたって翔は来ない。



あたしが泣いたって翔はあたしの彼氏にはならない。



あたしが泣いたって翔は関係ない。



あたしが泣いたって翔は迷惑なだけ。



---あたし決めたよ。



翔...あたしはあなたから離れる。










本当なら離れたくなんかない。



けどこれ以上一緒にいたら、自分が苦しくなるから。



ごめんなさい...。いつも自分勝手でごめんなさい...。



---翔。さようなら...


あたしは3日前、翔から離れると決めた。



それはあたしの為でもあって、翔の為でもある。


たどちらかといえばあたしの為だけかもしれない。



あたしは、翔から避けはじめ3日経った。



あたし達は今屋上でご飯を食べている。



みなみとあたしで。


『本当にさよならしたんだね。』



「うん。それは二人のためだと思うから。あたしと翔の...。」



『...そうなんだね。』



『華奈ー!!久しぶりー!!』


あたし達が話している時に誰かがあたしに話しかけた。


嫌な予感しかしなかった。



あたしは声のした方を向くと、予感は的中。


---翔だった。



あたしはなるべくいつものようにしながら言った。



「翔久しぶり!...おめでとうね。付き合ったんでしょ?あの美人なこと。」


『...あ、うん。』


「おめでとう!お幸せにね!」


『ありがとう。』


「翔...あたしと翔はさようならしよう。」



『は...?』


『なんでだよ!』


「あたしの為でもあって翔の為でもあって、彼女さんの為でもある。彼女さん妬いちゃうでしょ?そしたら大変だもん。可哀想だし。」


「だから...さようなら。」


あたしは翔に喋らせず言った。



「最後に...彼女さんとお幸せにね!」



あたしは涙を我慢し、言った。



その後



「みなみいくよ!」と言い教室に戻った。








みなみはあたしを心配してくれた。


だけどあたしは、大丈夫!と言った。


あの出来事から一週間経った。



あたしはあの出来事以来屋上には行かず、


ずっと教室にみなみといた。



今日も教室でみなみとご飯を食べていた。



---その時だった。



『ねえ!!みんな!!翔くん彼女と別れたんだって!!』


クラスの一人が言った。



『翔くんから振ったらしいよ!!』



---なんで?



---どういうこと...?



---あたしは諦めたのに。


なんで今さら別れるの?



ましてや付き合った期間短いよね...。



なんか理由があって別れたの?



彼女さんの浮気?


翔の浮気?...絶対ないはず。



まさか...あたし絡み...?



いや...考え過ぎか...。



---だけど、あたしの予感は的中してしまった。


あたし絡みだったのだ...。



それがわかったのは、



---1日前。




『...ちょっといい?』



休み時間、あたしはトイレに行きたくてトイレまで歩いていた。



その時だった。歩いているとき声をかけられたんだ。



それも---



翔の元カノの白石舞。


嫌な予感しかしなかった...。



「な、なんですか?」



『ちょっとついてきて。』



「はい。」




呼び出されてるんだな...。



だけど舞さん1人。


呼び出されるならもっといるよね...。



来たのは屋上。















『あたしと翔が付き合ってたの知ってるよね?』



「はい。」



『あたしと翔が別れた理由はね...あなたなの....華奈ちゃん。』



「え....?」



あたしの予感は的中。



『翔が言ったの...。華奈が気になるからって。』



舞さんは泣いていた。



それだけ翔が好きだったんだろう...。



好きだから舞さんは泣いているんだ。



またあたしは、決めた。


決心したんだ...。


いつも自分勝手でごめんなさい...。何回謝っても足りないね。









「舞さん泣かせてごめんなさい。」



『え...? 』



「舞さんあたしの話長くなるけど聞いてくれますか?」


『あたしでよければ...。』



あたし達は座り、あたしは話を始めた。





「...あたしには誰にも言えない秘密があるんです。一個は、人を信じるのができないんです。」


「中学生の時にあたし信用していた親友に裏切られたんです。あたしの彼氏を奪ったんです。その親友に裏切られてから人を信じるのが出来なくなってしまって...。人は、簡単に裏切り裏切られる。だから人を信じれないんです。」



『...そうなんだね。』


「はい。」




『もう一つあるんじゃない?』



「はい...。」


「もう一つは、昔いじめられてたんです。
今さっき言いましたよね...。あたしの親友が彼氏を奪ったって。そのことを親友に言ったんです。そしたらそんなわけないじゃん。人のせいにしないでくれる?と言われたんです。前まで優しかったのに人が変わったように冷たく言ったんです。」


『うん。』



「その後、親友の友達があたしをいじめるようになって親友も参加しながらあたしをいじめたんです。それ以来、友達を作ろうともしなかったし信じようとも思わなかったんです。」



『そんな辛い過去があったんだね。』



「はい。」



『でもなんであたしに言ったの?』



「泣いている舞さんがあたしの泣いている姿に被ったから言ったんです。急にこんなあたしの話してごめんなさい。」



『いいよ。』



「舞さん、ごめんなさい。あたしのせいで辛い思いをしてしまって。」


「あたしもう...翔に関わるつもりはないです。ただお願いがあります。舞さん、翔のそばにいてあげてください。お願いします。」



『わかった。』



あたしの最後の翔への願い。



---舞さんと幸せになって。



舞さんはとても心優しくてあたしと大違い。



あたしなんかといるより舞さんといたほうがいいの。翔は。




幸せになってね翔....。舞さんと2人で。



あたしは決心したんだ。



翔に関わらない。


翔に会わない。



と決心したんだ。



翔。ホントのホントにさようなら---







---あたしが舞さんに過去を話してから何ヶ月たっただろう....?



まだ桜がパラパラ舞う季節にあたしは舞さんに過去を話した。



今は、もう冬。



桜ではなく、もう


雪が降っている。



あたしはあの決心してから



翔とは喋っていない。



翔と会ってしまうと避けて喋らず通り過ぎる。



あたしはあからさまに避けていた。




---あたしはどこから間違えていたのかな....。



間違えていなければあたしは、翔を苦しめることはなかった。


ごめんね....翔。