「…その、姫、みたいなもの…なんで
あたしなの?」
あたしなんて、友達なんていないし。
そもそも人とすら関わらないし。
そっけない態度とかとっちゃうし。
無愛想で、……人形だし。
「…あたしにしたら、後悔するわよ?」
「んなわけねぇだろ。」
…あたしの声を遮って、そんな温かな言葉をかけてくれるなんて暴走族も良い人なんではないかしら。
「冷夏。」
立花先輩はあたしを 何 故 か 抱きしめた。
「はぁ?ちょっと離しなさいよ。」
「お前、自分を悪く見すぎだろ。それに
お前が人形じゃないことくらい、ここにいる全員わかってる。あの笑顔も、あの泣き顔も、見たんだしな。」
…なによ、それ。