「…下ろして」 あたしから出た言葉は、お礼とかそんなものではなくて。 冷たい声が響くだけだった。 「はぁ?下ろすかよ。お前、ケガしてるし強がんなよ。」 …ケガ? …殴られたからかな? さっきよりも熱を持ってる気がする。 けど、あたしは人に頼らない。 「大丈夫よ、下ろして」 もう一度言う。 さっきよりも、突き放す。