「雨斗が…」




「しゃべった…?」






いや、俺結構しゃべってるけど?



っていうかしゃべったら驚かれるってそこら辺の犬や猫じゃねぇんだから。




「…秋は、気づいてるぜ」




俺は冷夏のベッドを近づくと、親指で
冷夏の涙を拭った。





そして、頭に手をのせるとポンとたたく。








「秋を、信じてみろよ。

…絶対に、そこら辺の女と冷夏は違う。
冷夏のこと、特別に見てるよ。」






「雨斗…。」





そして、ゆっくり頷いた冷夏を見てゆっくりと背をむけた。






「それでいい。…じゃあ俺用事あるから。
先帰るな。」






「雨斗帰んの?」





慌てるみんなをおいて俺は1人病院をあとにした。