あたしはそのまま倒れた。
意識はあった。
けど、多量の出血で朦朧としていたし
なにより左腕を刺されたことによって、
全身の自由がきかなくなっていた。
「死…んだ?」
倒れたあたしを見て、お母さんが死んだと勘違いをした。
「…私、人殺しなのね。今いくわね、
和仁さんーーー…。」
お母さんは、最期にかず、ではなく和仁さん、と最初出会った頃のように呼ぶと
あたしの目の前で自殺した。
声も出ない。
あたしはその目の前の斬新な光景から、
目を背けることしかできない。
いつしか、考える体力も消えていった。
死ぬの…かしら?
あたしはそっと意識を手放したーー…。