けど、あたしの足は動きださなかった。







なぜか。







それは、彼があたしの手を掴んでいたからだ。







…肩からせっかく手が外れたのに。






いちいち引き留めないでよ。









「触らないでくれる?警察呼ぶわよ?」






あたしがそう言うと、彼はフッと笑った。