2番目のわたし。【完結】


「‥朝香はよー」

「おはよう秋」



また泣いたんだ。
きっと先輩のせい。
朝香嘘ついてるの知ってるよ?

そー言えればどんなに楽か
でも、朝香が幸せならそれでいいと思ってたから、聞けなかった。

倉庫で抱きしめ合ってる二人を見て


そーゆーことかって思ったんだ


彼女と別れてない先輩と朝香。
朝香は先輩の2番目の彼女なんだ。



度々先輩の家に入っていく朝香をみては
走って行きそうになったけど


朝香のそんな笑顔見たら


動けないよ









そして今、涙を流す君を見て
抱きしめてしまったんだ。



でも、それでも嘘をついて、



そのくらい先輩と会い続けたいのかなって思って

それくらい好きなのかと感じてしまったから



俺も朝香に嘘をついたんだ



辛くない?それは嘘をついたのが
悲しくて少しだけでた本音。


大丈夫。それも嘘だよね



いつになったら終わる?


嘘はもうやめようよ朝香



俺も嘘なんかつきたくない




私が好きな季節は秋だよ

暖かい色の世界が秋だから



それ俺のこと言ってるの?
俺そんなんじゃないよ

暖かいなんて綺麗なものじゃない


茶色の落ち葉は雨に濡れて黒くなる


俺は汚いんだ。黒いんだよ。


朝香。君みたいに白くなりたいよ。










それから、私は先輩を忘れられないと秋は思ってるのかな?


違うけど。


先輩にお別れしよう。



『先輩放課後お話があります。
玄関で待ってます』
メールをうった

『わかった』


やっと終われる。


これが1番いいんだよね。






放課後トントントンッ階段を降りる音がした。


誰にも見つからぬように先輩と
人が少ないところに行った。




「先輩終わりにしましょう
もう無理です。辛いんです」


「何言ってるの?なんで?いきなりどうしたんだよ朝香?」


「こないだ土曜日見たんです。
いつもより家を早く出てしまって
着いた時にメールが来て。

つらくてつらくて。

耐えられなかった。
だから、もう嫌なんです」


「朝香それは、、

ねぇダメだよ。俺朝香いないと。

でも、選べないんだ。

お願いだよ朝香」



「先輩やめましょう。

彼女さんかわいそうです。

私が言えることじゃないけど。」


「あいつは気づいてない。

こないだはいきなり来て。
しょうがなかったんだ。

本当に朝香お願い。

朝香が、いないと息できないくらい苦しくなるんだ。

他の男と話したり。大谷に触れられてるの見たりすると。


生きてる心地しないくらい。

お願い朝香一緒にいてよ」






こんなに変なこと言ってるのに

心が揺れてしまうのは好きだから。


決心したのに首を縦に降ってしまうのは


あなたに恋をしたからです。





「よかった〜朝香好き。

今度からは土曜日絶対あけとくから!」


こんなことを無邪気に言う先輩は


天使の外見をした悪魔です。



「はい。嬉しいです。」



壊れるのなんて怖くないよ。





帰り遅くなってしまったため
人が少ないはずだからと言って

一緒に帰ってくれた。


「朝香〜なんかあった?


大谷になんかいわれた?」


「何も言われてませんよ?」

こんなにも嘘が上手になったのは
あなたのせいです。


「そっか。よかった。俺だけだよね?」


「はい。先輩だけです」



幸せと感じてしまうのはおかしいですか?







先輩とはそれから
土曜日に会ったり、学校では人が少ないところであったりもした。

きっと先輩なりに気を遣ったのだろう


そして、秋にはまだ、話せていない

ずっと嘘をつき続けている。



そして冬の季節、先輩が卒業した。










先輩が高校に行ってもこの関係は変わらない。



会うのは土曜日だけ。
そして、夜のメールそれだけだった。




私はまた先輩に裏切られる。
そんなこと思ってなかった。