君に出会ったことが間違えで、
君を好きになったことも間違えで、
誰かに助けて欲しかった。
「あっ!」
なんでこの時、声をかけられたのか
今でも不思議に思ってる。
「お前、神崎だよな?」
久しぶりの再会をずっと願っていた。
名前を呼ばれた時うれしかった。
「はい。お久しぶりです。
‥‥山下先輩」
「久しぶりだな〜。って言っても
2年ぶりか。はははっ」
「そうですね。先輩が卒業してから
あってませんもんね。私今年入学です。
よろしくお願いします」
「そうだな〜お前まだ中学入学前なのに塾とか偉いな〜」
「そ、そんなことないです」
「やっぱお前変わんないな、
あっ、もう講習始まるな!
頑張れよ〜」
「はい!また」
「じゃあな〜」
は〜なんでいるかな!
びっくりした〜どきどきした!
あっ私の名前は神崎朝香
それで
さっきの先輩は山下駿太
私が小学4年から好きな先輩!
でも、叶わないって知ってるんだ。
私が先輩を好きになったのは小4の時
図書委員をしてた私は週2でお昼休み
図書当番をしに図書室を訪れていた。
特に人が来るわけでもなく
仕事があると言っても本の整理のみ
誰かくるほうが稀な方
今日は私と
同じクラスで幼なじみのさっちゃんと呼ばれてる野山さき
2人で当番をしていた。
「今日も誰もいないじゃん!当番とかやる意味‥‥」
と私は言った。
「確かにね〜お昼休みとかあそびたいじゃん!」とさっちゃん
「まぁしょうがないか。本整理してくるわ〜」
「よろしく〜」
といういつも通りの会話。
何回同じことを話し合っても
ここに来る度この話題を話しては
私が本の整理。さっちゃんが受付。
というのが決まっていた。
別にそこまで整理するわけでもないから
たまに気になった本があったら少しみながらいつも整理していた。
ガラガラッ
お、今日初めてのお客さん。
って本屋じゃあるまいし!
なんて考えながら、整理を続けていた。
なんか後ろに気配を感じたので
後ろを見たら男の先輩が立っていた。
「‥‥‥‥あの、なんですか?」
「いや?特に」
と言って何人かの男子と騒ぎ始めた
ここ図書室なんですけど!
と言いたいが別に人がいるわけでもないのでほうっておいた。
さっちゃんはいつも通り受付でぼーっとしながらその様子を見ていた。
まぁいつも先輩たちとか遊んでるしね。
それからも私は本の整理をしていた。
あと2分ってところで私はさっちゃんのところに行き
「もう教室行こう〜」
「そーだねー」
先輩たちも教室に戻ろうとしていたので
注意とかしなくて
よかった〜めんどくさくなくて
って思いながら図書室を出た。
2日後。
また図書当番の日
いつも通りさっちゃんと図書に入り
受付で別れて本の整理に向かった。
ガラガラ
今日は早いな〜珍しい!
誰だろうと見るとまたあの先輩たち
あの人たち体育館とかで遊べよとか
思ったけど体育館は人が多いからな
なんて思いながら、
図書当番の表が外れていたので
テープでとめなが見ていた。
「‥ふーん。あんた月曜と木曜が当番なんだ〜」
「‥‥‥‥。」
またかよ!この先輩なんなの?
てか私の名前なんで‥‥って普通か
月 木といて私とさっちゃんの名字が書いてたら名前知ってるわけじゃないか。
「お前さ神崎だよな〜いつも陸上の表彰されてる」
えーーーやっぱ知ってた!
びっくりするよ。本当なんなの?
「はい。そーですけど」
「お前すげーよな、この前2位とかだったじゃん。それで全道だっけ?」
全道とは北海道の市の大会で上位2人と
良い成績を残している人が出れる県大会みたいなもの。
「いや、たまたまです。いつも2位の人が足を痛めてたらしくて運良く行けた感じです」
「へ〜でもすごいよ」
「どうも」
と私が返すと笑って他の先輩たちの所に行った
なんなんだろあの人
てか誰?何だっけな〜あの人の名前、
確か2個上の6年の‥
先輩なんて同じ部活か目立つような人くらいしか覚えてない。
まぁ、いっか〜どーせ関わらないし
またぎゃーぎゃー騒いでる先輩を見て
やっぱ年上でも小学生だな〜
ウォーリーを探せをやりながら
はい、見っけ〜
なんていいながら騒いでいる。
男5人でウォーリーを探せって
まぁ楽しいけどさ。
あっ、もう2分前。
「さっちゃん〜」
「行こっか〜」
だか先輩たちはまだ遊んでる。
えー早く出てよ〜最後は鍵を閉めるわけじゃないのでいいのだが図書委員が最後に出るというのが決まり。
今思えば真面目だな〜なんて思う。
さっちゃんはめんどくさそうにため息をついてる。やっぱこういうのは私か。と顔を見ながら思い‥
「‥あ、あの〜もう出てくれませんか〜
私たち最後に出なきゃいけないので〜‥
出てくれたら嬉しいな〜なんて‥」
こわっまじ怖いってそんなこっち見ないで早く出てってよ!
わ〜早くしてよ〜
「あ〜悪い悪い今でる〜」
おっ気づかなかったけど陸上部の関谷先輩じゃん。この人は陸上部のキャプテンで頭も良くすごく優しい先輩。
あ〜よかった〜。先輩がいて!
その後ろにはあの話しかけてきた人
わ〜あの人怖いし睨んでるし。
と顔に出てしまったらしく関谷先輩が
「はははっこいつ目悪いから睨んでるわけじゃないよ〜」
「あ!大丈夫です!気にしてません!」
なんて言うと
「ほら〜謝れよ山下〜」
山下先輩って言うのか〜なんだ、目悪いだけか〜
「はぁ?なんでだよ」
うわっやっぱ怖いじゃん!
「お前が睨んでる感じ出すからだろ」
「あぁ、ごめんな別に睨んでないよ」
あ、やっぱ優しいのか?
「いえ、大丈夫です」
キーンコーンカーンコーン‥
「お、やば急ぐか」
先輩たちは急いで教室に戻って行った。
ふ〜疲れた〜。私たちも急がなきゃ。
「早く行くよ〜」
とさっちゃんに言われ図書室を出た。
次の週の月曜
また来てるし暇だなあの人たち
なんてまた思いながら本の整理
「おい。神崎」
えーまた話しかけてきたよ
「こんにちは。山下先輩」
こないだ名前を覚えたので言ってみた
「おぉ、覚えてたか。お前本当真面目だな毎回サボらないで」
「え?普通ですよ。委員の仕事なんで」
「俺たちの学年ちゃんとやってんの見たことないから、真面目だな〜って」
「え!そうなんですか!知りませんでした。なんかうちらだけやってアホみたいですね。ははっ」
「だから、真面目だなって言ってんの〜
まぁ、普通の事かもしれないけど偉いなって思ったんだよ」
「そーですかー?偉いですか?なんかありがとうございます」
「面白いなーお前ー」
「お笑い目指せますかね?」
「そこまで言ってねーよ?」
先輩と私は目を合わせて笑いあった。