2番目のわたし。【完結】




「うーうん。ばれてないと思うよ。」

「あー良かったー!そんな誰も応援しないような恋バレたらみんな気まずいよねーはははっ」

「俺しか気づいてないよ。だって俺お前ばっかり見てるから」

「えー?ストーカーみたい!秋の趣味悪いよ〜ふふふー」

「だから!気づけよ!お前が好きなの!
だから、お前しか見てないの!」

何言ってんの?秋と私は友達でしょ?
だって小1からの友達じゃん
なんでも言い合って好きな人だって言い合ってたじゃん

「どーゆーこと?嘘でしょ?」

「ほんと!ずっとずっと好きだった。
気づいたのは小6の時だけど、ずっと見てた」

どーしよ。なんて言えばいいの?


「あ‥‥の、え‥‥っと、」

「お前が山下先輩が好きだってわかってるけど先輩にはかのじょ‥「言わないで!」

「そんなの知ってる。わかってる。
理解してるよそんなこと!けど、諦められないの!ずっとずっと好きなの!しょうがないじゃん」

「しょうがなくないよ。お前はすごく綺麗で可愛いくてなんでもできて優しくて良い所ばっかりでそんなお前がなんで傷つかなきゃいけないんだよ!」

ギュっ胸が痛かった。
そんなこと思ってくれてる秋に
心が綺麗な秋に好かれてるとおもうと
余計に痛かった。

「違うよ秋。まだ、私何にも傷ついてなんかいないよ。」

「神崎は、、、朝香は傷ついてるよ」

ポロッ私の目から涙がこぼれた。
傷ついてなんかないよ。
ただ、好きになった人に彼女がいただけ
ただ、先輩と異常に仲良くなってしまっただけ。



「もう、やめろよ、俺にしろって」

私はそれでも首を横にふった。

「ダメだよ秋。こんな綺麗で優しい秋に私なんかもったいない。私は先輩を好きでいつづけるよ」

「なんで?好きじゃなくてもいいから、
隣にいることもダメなの?」

「そんなことしたら、秋を傷つける。私にはできないよ。」

「‥‥‥‥そっか。

ねー神崎。朝香って呼んでもいい?」

「さっきも呼んでたよ。ふふっ」

「朝香。先輩に伝えないの?」

「そーだね。そろそろ伝えようかな。
きっとダメだろうけど」

「‥‥それはどうかな。


でも、泣きたかったら俺がいるよ?」

「ありがとう。その時はそばにいてくれたら助かる。」

「おう。頑張ってこい」


秋にこんなこと言われたのに私は頑張り方を間違えてしまったよ。








それから何ヶ月かたって
秋とはすごく仲良くなって
付き合ってるんじゃないかなんて
噂さえ流れていた
私たちな聞かれたら否定するくらいで
あえて何にも言うことはなかった。




「ねぇ、秋。」

「朝香どうした?なんかあったか?」

前より優しく私を気遣ってくれる

「今日言ってこようと思うの。
どうなるかは、わからないけど
とりあえず伝えてくるよ」

「‥‥そーか。頑張ってこいよ。
教室で待っててやろーか?」

「んーん。大丈夫帰ってて。今日部活ないから弟くんと遊ぶでしょ?ふふ」

まだ5才の年の離れた弟がいる秋は弟がかわいくてかわいくてしょうがないんだ

「そーだけど‥本当に大丈夫か?」

恥ずかしそうに言ってから真顔で心配してる

「大丈夫だよ!私強いじゃん?」

「どこがだよ〜まぁそーゆーなら帰るよ
なんかあったらメールしろよ?」

「わかったよ。ありがとう秋」






放課後先輩が玄関に来るのを待っていた


あっ来た。よかった彼女は一緒じゃないみたい。1人で階段を降りてきた先輩を見つけた。


私に気づいておっと顔を上げて
手を降ってきた。
私は先輩に近寄って


「先輩聞いて欲しいことがあるんですけど‥‥‥」

「おう、どうした?」

私は放課後の人通りが少ない所に先輩を連れて行き


「先輩、ずっと好きでした。

彼女がいるのは知ってます。

ただ、伝えたいと思って、


ちゃんと振られようと思って。」


私はちゃんと伝えた
これが1番いい選択だ。


「‥‥‥‥‥‥‥いいの?
振ってもいいの?」


え?どーゆーこと?



「‥え、だって彼女いるんじゃ」


「‥‥‥いるよ?でも、、、



お前のことも好きだよ。」



どーしろってゆーの?


「あ‥‥の‥‥あ、の」


「ねぇ、2番目の彼女にならない?」



2番目の彼女?


私はそれでもいい

なんでもいいからそばにいたいって


縦に首を振った‥‥






それから、家に帰ってベッドの上で

ぼーっと考えていた。


2番目ってことは彼女とは別れないってことだよね。

でも、私のことも好きってことだよね。



ヴーヴー


山下先輩だ
『2番目なんて言ってごめん。

でも、彼女も大切なんだ、
神崎のことも好きだし誰にも渡したくない。
勝手なのはわかってる。
だめかな?』


こんなの一般的に言えばダメに決まってる。でも、恋に落ちてる相手に言われたらノーなんて言えない。

『大丈夫です。

私はそれでもうれしいです。

2番目の彼女にしてください。』



そして私は2番目の彼女になった。






私と先輩との間にはいくつかのルールができた。

一つ目、これは絶対に誰にも言わないこと。

二つ目、会うのは土曜日家で会うこと。

三つ目、学校では普通に接すること。

これが守れなかったら別れる。



誰にも言えない恋なんだ











次の日、


「朝香ーはよー!


どーだった?」


小声で秋が聞いてきた。


「‥あっ、やっぱりダメだった。
当たり前だよね。」


嘘をついた。
あんなに心配してくれた秋に。


「そっかー大丈夫か?
泣かなかったか?」

「大丈夫だよーわかってたことだし
ありがとう秋。」


安心したような顔で私を見る秋

ごめんね嘘ついて。




それから、私はバレないよう

先輩とメールしたり、土曜日に家に行き
学校では話せないのでたくさん話し合った。


そして、秋になり1ヶ月たち。


「朝香。好きだよ。ずっと好きだった」


「私も好き。」


ダメだと分かりながら
私は泣きながら先輩とキスをした。


ぎゅっと抱きしめあって
何か罪を少なくできるようにか
なんだかわからないが

苦しいくらいに抱き合った。