「‥そーなんですか!やっぱり噂本当なんだ!へ〜先輩でもできるんですね!」
こんな明るく言ったのは
この想いを隠したいから。
声が震えてるのだってさっちゃんの風邪がうつったせいなのかも。
泣きそうなんじゃなくて眠いだけ。
そんな風に隠さないと
もうこの関係が壊れてしまうと思ったから。
「お前な〜とりあえず連絡よこせよー」
「了解です!ふふっ」
2番でも先輩に好かれていたい
そんな風に思ってしまって。
私は夜に連絡した。
『こんばんは!神崎です!
登録よろしくお願いします!』
ドキドキ
『了解!ありがとなー
あのさーお前大谷とはどんな感じなの?』
え?また秋?なんなの?
『なにもありませんけど。
どうかしましたかー?』
『お前ら仲良いなーって思って
お前が好きなら協力しようかなみたいな』
先輩ひどいよ
それは痛い
胸が痛いよ
『仲良いだけです!
私は好きとかじゃないです!』
『そうかーじゃあ他に好きな人いる?』
何これメールだとこれが真面目かふざけてるのか全然わかんない。
『好きな人はいますよー』
私はちょっとかけてみた
『へー誰だよ?どんなやつ?』
『えーと彼女がいる人です。
だから、無理だと思います。
先輩はどう思いますか?
諦めた方がいいと思いますか?』
こんなこと言ったらばれそう。
もし諦めるなって言われたら
がんばってもいいかな?
ヴーゥーヴー
『あきらめなくてもいいんじゃない?
好きなんだろ?頑張れよ。』
先輩がんばってもいいんですか?
『はい。頑張ります。』
これが先輩との誤ちのスタート。
だったのだと思う。
それから先輩とは毎日メールをした
彼女とメールしなくていいのかなっ?
ってくらい私と先輩はメールをかわした
それから時はたって夏となった。
うちのバスケ部はみんな仲良しで
でも、初心者の集まりだから下手くそで
だけどそれなりに頑張って楽しくやってた。
でも、大会では1回戦負けなんてよくあって。
先輩の最後の大会は2回戦で負けてしまった。すごく応援して。泣きそうになった。
それから何週間が経ち
ある日バスケ部のみんなで海に行くことになった。
私たちはそこまで人数が多い部活ではなく、結局行けない人も出てきたりで、
20人ほどになった。
海に行くとプカプカ浮いてる島みたいな所でみんな走ったり遊んだりしている。
ぴーーー走るなー
なんて怒られたりしながら。
それでも楽しかった。
「たのしーねー!ジャーンプ!」
え?先輩たちあぶないよ!
でも、飛んでないの私だけじゃん!
ってなって私も飛んだ
また島に戻ってはジャンプの繰り返し
山下先輩も飛んで遊んでる。
あれから特に何もなく普通の先輩後輩として仲良くしてる。
‥ただ、まだ先輩は別れてない。
望んでるわけではない。
別れて欲しいわけでもない。
自分でもどーしたいかわからない。
ぼーっとして島を歩いていると
どんっ!
と肩を押された
‥‥‥‥え?あっ落ちる。
まぁいいや海に落ちるだけ‥‥‥
ぎゅっ!!!!
私はいきなり腕を掴まれた
‥‥‥‥え?なに?
「‥あっぶねーな、あの女
おい、大丈夫か?」
山下先輩だった。
「あ、大丈夫です。ありがとうございます。」
まだ繋がってる私の腕と先輩の手
「そーか、気をつけろよ?あぶねーから
怪我するぞ?」
ぱっと手が離れた
「はぃ。気をつけます」
それからすぐ離れて先輩はみんなのほうにいってしまった。
触れた所だけあつくてドキドキなって
どーにかなっちゃうんじゃないかって
あー先輩のこと好きだー
ってまた思った。
ふぅー疲れた。
浜辺に戻ってシートの上に座って
みんなが遊んでるのを見ていた。
「かんざーき!遊ばないの?」
「秋!!秋こそ遊ばないの?女の子たち待ってるよきっと。ふふっ」
秋はすっごく背が伸びてもともと容姿もすごく整っていたので先輩たちや同級生からモテモテだった。
「いーのいーの。俺疲れたし。お前の話し相手になってやるよ」
「私も疲れたから休んでたのー
でも、秋来たし行こーかな」
「おい!なんだよ!俺の話し相手になってよ〜」
秋は駄々っ子みたいに肩をゆらした
「はいはい。子供みたい!」
「やったー!」
「で、話すことってなんかあるの?」
「そーだなー、、あっ!
お前さ、好きな人とかっている?」
「えー?恋バナ?まーいっか。
そーだねーいるかなー?」
「疑問系かよーじゃーどんなやつ?」
「うーん‥怖いんだけど優しい?」
「なんか矛盾してね?」
「そーだね。ふふっ。でもそんな感じ
秋はいないの?」
「うーん。いる!」
「へーいるんだ!どんな子?かわいい系?それともキレイ系?」
「そーだなー両方!かわいいし綺麗!」
「すばらしい子だね。そんな子いる?
じゃあ性格は?」
「そーだなー叶わない恋をしながら、諦めないで頑張ってる。」
え?私と一緒だ。その子と話してみたいなーどんな子だろ
「へ〜じゃあ秋の片思いか。
私も片思いなんだよね〜」
「‥‥うん。知ってる。」
「‥え?‥は?知ってる?なんで?」
「俺お前のこと見てるから誰を見てるかわかるってこと」
「‥えーー!ばれてた?そっかーばれてたかーじゃあみんなにばれてるかな?」
わーどーしよーそれだったら
恥ずかしすぎるー!
「うーうん。ばれてないと思うよ。」
「あー良かったー!そんな誰も応援しないような恋バレたらみんな気まずいよねーはははっ」
「俺しか気づいてないよ。だって俺お前ばっかり見てるから」
「えー?ストーカーみたい!秋の趣味悪いよ〜ふふふー」
「だから!気づけよ!お前が好きなの!
だから、お前しか見てないの!」
何言ってんの?秋と私は友達でしょ?
だって小1からの友達じゃん
なんでも言い合って好きな人だって言い合ってたじゃん
「どーゆーこと?嘘でしょ?」
「ほんと!ずっとずっと好きだった。
気づいたのは小6の時だけど、ずっと見てた」
どーしよ。なんて言えばいいの?
「あ‥‥の、え‥‥っと、」
「お前が山下先輩が好きだってわかってるけど先輩にはかのじょ‥「言わないで!」
「そんなの知ってる。わかってる。
理解してるよそんなこと!けど、諦められないの!ずっとずっと好きなの!しょうがないじゃん」
「しょうがなくないよ。お前はすごく綺麗で可愛いくてなんでもできて優しくて良い所ばっかりでそんなお前がなんで傷つかなきゃいけないんだよ!」
ギュっ胸が痛かった。
そんなこと思ってくれてる秋に
心が綺麗な秋に好かれてるとおもうと
余計に痛かった。
「違うよ秋。まだ、私何にも傷ついてなんかいないよ。」
「神崎は、、、朝香は傷ついてるよ」
ポロッ私の目から涙がこぼれた。
傷ついてなんかないよ。
ただ、好きになった人に彼女がいただけ
ただ、先輩と異常に仲良くなってしまっただけ。
「もう、やめろよ、俺にしろって」
私はそれでも首を横にふった。
「ダメだよ秋。こんな綺麗で優しい秋に私なんかもったいない。私は先輩を好きでいつづけるよ」
「なんで?好きじゃなくてもいいから、
隣にいることもダメなの?」
「そんなことしたら、秋を傷つける。私にはできないよ。」
「‥‥‥‥そっか。
ねー神崎。朝香って呼んでもいい?」
「さっきも呼んでたよ。ふふっ」
「朝香。先輩に伝えないの?」
「そーだね。そろそろ伝えようかな。
きっとダメだろうけど」
「‥‥それはどうかな。
でも、泣きたかったら俺がいるよ?」
「ありがとう。その時はそばにいてくれたら助かる。」
「おう。頑張ってこい」
秋にこんなこと言われたのに私は頑張り方を間違えてしまったよ。