わたしを少し離すと、さっきの大きめの袋を渡してくれる。

「え、ほんと、もらえないよ!!!」
「じゃあこれ捨てられちゃうんだよ?俺いらないもん」

うう、、、、
もらうしか、ないじゃん、、、、

「でもーーーひゃぁ!?」

もう一回ぎゅってされて、それから、おでこに、キス。
さすがにキスまではされたことなくて、もう驚くしかない。

「ゴチソーサマデス。」

にやり、と笑うこの人は……
ダレ?

私、こんな矢崎くん、知らない。

だって矢崎くんはみんなの矢崎くんで、いつも抱きついてきてちょっとウザいけど、でも基本的に爽やかで、それでーーっ。

もう一回抱きしめられて、
背中をツーーって撫でられて、
それなりに厚着してるはずなのにすごい敏感になっちゃって、いてもたってもいられない。

「やっ、やざきくんっ、、ヤメっ、」
「ふふふ、またね、ゆいちゃん」

案外簡単に解放してくれた矢崎くんから、私は逃げるように、離れた。