「ふふふ、なんてね。
ほら、ショー見なきゃもったいないよ」


ーーーなんだか、余裕すぎませんか?

ちょっと、いや大分悔しい。
矢崎くんが、さっきより遠い。

こんなにサラッと言えちゃうってことは、やっぱりわたしってペット感覚で扱われてるんだろうな。

チワワ系男子のペットって!
ペットにペットかよ!

…自分で言ってて悲しくなってきたからやめます。


矢崎くんの言うとおり、ショーに集中しなきゃもったいないよね。


『それでは、最後に、イルカとタッチのコーナーです!!!
イルカとタッチして写真を撮りたい人は大きく手をあげてください!!』


えっ!!!撮りたい!!!!
でも…まわりには小さい子がいっぱい、、、。
我慢するしかないよね…

「はいっ!!」
「え、矢崎くん!?!?」
「ほら、ゆいちゃんも〜!!手挙げなきゃ〜!!!」

『じゃあそこのイケメンのおにいさん!!』

「...へ?」
「ほら、行くよ、ゆいちゃん!」

あれ、わたしの遠慮、、、