「俺からいくね。
…ヴェルディ・フール・ヴァナーブ・ブラッド・マルナード」


秦野、スラスラじゃん!!


さすが、猫かぶり優等生……。



あたしも負けじと、手を挙げる。



「あたしもっ!
…ヴェルディ・フール・ヴァナーブ・ブラッド・マルナード!!」


ふぅん、と頷いた山田は、


「合格」



と微笑んだ。



「空木は??」


ホッとしていると、秦野が空木を指差した。


「…俺様が言えないワケねぇだろーが。
ヴェルディ・フール・ヴァナーブ・ブラッド・マルナード」


す、すごいじゃん空木!



「ま、合格。それじゃ、こんな面倒くさい名前、言いにくいだろうから、

これからは『ブラッド』って呼んでくれ」



………は??


ブラッド、だけ??


あたし達、何のために三十分かけて覚えたの??







…この後、あたし達による大説教が


ブラッドに行われたことは、言うまでもない。



あと、コッソリ訳を聞いていた桜井先生が、ブラッドを気に入ったのも、




言うまでもない。