き、キャラ違くなーーーい!?!?



「山田、キャラ変更した…??」



山田はあたしを睨むように見ると、ため息混じりに


「お前、さっきの…。凜、だっけ。
…さっきは悪かったな」


と言った。



山田くん、スッゴいクールですね…??


そこには、教室で女生徒をメロメロにしていた優しい山田太郎ではなく、


明らかに吸血鬼な山田太郎がいた。



「あとそれ、弱点として出してんの?」



山田が、空木の十字架のピアスを指差す。


「あ、やっぱ効いた?♪」


「いや…。
俺らみたいな最近のヴァンパイアは、十字架とかニンニクとか、古臭いのは効かないんだよーって教えてやろうと思って」



う、ヴァンパイアァ??


ずいぶん調子乗った言い方するんだな…。



しかも、十字架もニンニクも効かないの!?


「チッ、弱点ナシかよ」


「てか、ヴァンパイアって認めるんだな…」


「じゃ、山田太郎も、ホントの名前は『ヴャマダァタロゥ』みたいに言いにくい言い方なの??」



拍子抜けしているあたし達三人。



すると、プッ、と吹き出した山田は、ベッドから軽やかに降りた。


「これだけ休めばあと一週間は、大丈夫だな。
ただ…腹が減った」



い、一週間保つの??


ヴァンパイアって、そんな凄いんだ…。


普通の人間にしか見えなかった山田が、徐々にヴァンパイアらしく見えてくる。