「なっかなか起きねぇなぁ…」



空木がムッとした瞬間。




ビュンッッ




!?!?




一瞬だった。



さっきまで寝ていたハズの山田の赤い目がしっかり開いていて、


天井…つまりは、空木の方に向かって拳が突き上げられていた。


空木も、人間離れした速さで拳を避けたみたい。



「っ……山田…」



明らかに、人間の速さじゃなかった。


そして、さっき見た、


異常に赤い目……。



絶句するあたしと秦野とは違って、避けた空木はニッと笑って、



「人間じゃねぇのは確かみたいだな」


と山田を見下ろした。



山田は数回まばたきすると、ゆっくり起き上がった。


そして、


「なに、お前ら?」



と冷たく言い放った。