しばらくして、ベッドの部屋から、桜井先生が出てきた。



「とりあえず、寝かせたら落ち着いたみたい。

…にしても、綺麗な顔よね、あの子♪
後で空木か秦野くんに、上からまたがってもらっちゃおーっと」


桜井先生がニヤニヤしながら椅子に座る。



「やっぱ腐女子…」


ボソッとつぶやいた空木に、秦野が


「えっ」


と退く。



そっか、知らないんだ…秦野は。



「もー、空木!秦野くんの前で言わないで!」


「だってホントじゃねぇか」


「そ、そーなんデスカ…」



そんな和んだ空気の中、あたしは両手を堅く握って、うつむいていた。


「つか、さっきから何気張ってんの?凜」


「気張ってないよ!ただ…」



言う?

言っちゃう??


山田が吸血鬼だって。


でも、大丈夫かな…。



「なんだよ、言えよ」


キョトンとする三人。