手は、あたしの肩に食い込むぐらいに掴んでる。


でも、口では、否定を繰り返している。



どうにも出来なくなったあたしは、とりあえず山田の腕を引っ張った。



「…来て!」



「…え…?」



吸血鬼なんて、絶対みんな信じてくれないし、ビックリされるし…。


でも、とりあえず助けなきゃ…。



桜井先生なら、きっと受け入れてくれる…。


なんか、そう思った。



思いつきだけで、山田の腕を引っ張る。


山田を引っ張りながら、あたしは保健室へ急いだ。