山田に、抱きしめられていた。
また、力強く。
「えええええ山田!?」
体調悪すぎておかしくなった!?
どーしたらいいの!?
「……ろ」
「え?」
「……せろ」
「何言ってるか分かんないよ…」
あたしは、山田の顔に寄った事を、後悔した。
「吸わせろ」
「っ!!!」
全力で山田を押した。
「き、吸血鬼!!」
あたしの頭に真っ先に浮かんだのはそれだった。
山田に寄った瞬間、首筋に何か、堅くて尖ったものが当たった。
そして、今のセリフ!!
「吸わせろ」って……血!?
我を失った(であろう)山田の目は、朝見たときより鋭くて、不気味な赤色になっていた。
そして、開いた口からのぞく、
ヤケに長くて尖った犬歯……。
最近、吸血鬼と女の子が恋に落ちる恋愛小説読んだから、すぐ分かった!!