どーしよ、助けて、誰か!


目に涙が溜まってくる。



最後の力を振り絞って、振り払おうとした時…。



「落ち着い、てっ」


…え?


今の声……。


あたしは、驚いた勢いだけで振り返った。


「あっ」


振り払われた相手は、ビックリしたように目を見開いた。


やっぱり…。


その、暗闇でも光る目…。






「山田……太郎…??」



「…ごめん、名前何だっけ…?」



「関口!」



「下は?」



「凜!」



「凜…だね、覚えとくよ…」


あれ、なんか山田…。


しんどそう??


しかも、なんか、いつもより目が光って見えるような…?



「…凜、ちょっと、…お願いが、あって……」



「なんか、大丈夫?しんどそうだよ山田」



「大丈夫だから、凜……」


「え?」


ドサッ



「山田!!」



いきなり、そばの毛布の山の上に、山田が倒れた。



あたしは毛布を放り投げて、山田による。


「大丈夫!?」



なんか、おかしいよ!


こんな所にいるのも、

しんどそうなのも!!


「…凜……」


「山田、待ってて!桜井先生呼んでくる!」



立ち上がったあたしの足首を、山田が掴む。


痛いぐらいに、ものすごい力だった。