「お前、この俺様に助けられた事、忘れたのかよ?」



「覚えてる…けど、担ぐのはどうかなって…」



右上を見たあたしに、空木は更に険しい顔。


だって、ホントの事じゃん!



「また無理やり担ぐぞ…て、お前、誰?」



空木の視線は、あたしの横にいた秦野に注がれた。



「秦野蒼空、よろしく」



サラッと挨拶した秦野に、空木は手を打った。


 
「あ、なんか聞いたことあるわ、マフラー男って噂で。

本当にマフラーしてんだな!」



「まぁね」



「俺様は空木咲夜。よろしくな蒼空」



「咲夜でいい?」



「おぅ」

 

いいよねぇ、男子は仲良くなるの早くて…。


爽やかな秦野と、俺様な空木がこーやって普通に喋ってるのも、なんか変だけどね(笑)


「ちょっとぉ?何イチャイチャしてんの??」


「「「桜井先生!」」」


ビックリしたー…。


桜井先生は、ニヤニヤしながら、覗き込んでいた。





……空木と秦野を。



「空木、手伝うか、秦野くんとイチャイチャするか、どっちかにしなさい!」



「イチャイチャなんかしてねぇって」



「咲夜が寄ってきただけですから」



桜井先生を睨む空木と、桜井先生に笑顔を向ける秦野。