校門をくぐる頃には、あたし達は、とてつもない速さで歩いていた。


「…そのイケメンにワザとぶつかって、大袈裟に転けんのよ!」


桜が敷き詰められた校庭で、作戦会議。



「体当たりするの??」



「うん、それぐらいでイイ!

…で、助けてもらうの!」



「助けてくれなかったら??」



「性格ブス、そこまで。治療代請求しておしまい」



「了解」



「助けてくれたら、まず明梨に電話して!そこから指示するから」



「ラジャ」



あたし達は親指を突き立てると、校庭を歩き出した。