「そ、それ…」


零は、震える手でブラッドの口を指した。


「あぁ、歯??」


ブラッドがニヤリと笑うと、長くて尖った犬歯が覗く。


「ブラッドって…マジのヴァンパイア…??」


だから、さっきからそうだって…。


「ま、分かったんならそれでよし」


ブラッドがフッと笑うと、犬歯が覗いて赤い目が光って、ヴァンパイアオーラが溢れた。


そして、零が呆然としている間に、



バサッッ




「あ、逃げた!!!」


マントを翻したブラッドは、小さなコウモリになって、窓から飛び出していった。


あたしと零が窓から身を乗り出した時には、小さくなっているほど速くて。