吉行の中の、狡猾で無機質な本性が当然とばかりに、そしてここぞとばかりに顔を出した。
壊れた雛飾りを巻いていたビニール紐を手に取った。
そしてゆっくりと詩織の首に回した。
左右の腕をじりじりと開きながら呟いた吉行は泣いていた。
「俺の愛する現実を……奪ったのか……?それとも初めから、そんなモノ……存在しなかったのか?」
すると詩織の下から正人が言った。
「ラからあ……オエの子れすって」
頭の狂った正人は笑いながら尚、詩織を下から突き上げていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…