「判決……被告人を“無期極刑”と処する」

重光と原は顔を見合わせ口角を上げた。

黒男は次の段取りに頭を既に移行させていた。

記者達はカメラの前に飛び出して行こうと腰を上げた。

正人は……、始めて聞く量刑に困惑していた。

(死ねるんじゃないのか?死刑じゃないのかよ。何だ、“無期”極刑って……)

正人の頭に染み付いた数年間の拘束の鎖は断ち切れ、思わず大声で叫んでいた。

「無期ってなんだ?もう勘弁してくれ!殺してくれよ!死にたいんだよ、もう!!」


その大声の直後……更に大きな音が法廷内にこだまし、全ての人間の動きと思考を一瞬で停止させた。