裁判も終盤に差し掛かった頃、裁判官が静かに口を開いた。 「判決……」 一同は静まり返っていた。 始めての判決が言い渡される瞬間、傍聴席に陣取るメディアの記者達は判決内容の報告の為に腰を浮かしていた。 我先にカメラの前に走らなければならないのだ。 表では中継車からスタッフがスタンバイに入る。 時間を見計らったカメラマンは、カメラの録画スイッチを入れた。