いつものように、落ちている物でも拾うかの如く正人を車に乗せ、“いつもの場所”へと“三人”は向かった。


初めて“我が子”を見た正人は、昼間から酔っ払っていた。

「思ったより小さいね。この歳から性教育すんの?」

ろれつの回らない口調で話す正人に詩織は苛つきを隠せずにいた。

「どっちの子かも聞かないのね……」

「どっちでもいいじゃん。どっちにしろ俺には関係ないんだから」

この短絡的思考は、詩織にすら“最低”な男だと思わせる。が……、逆にそれが安堵に繋がる。

自分が“最”低ではないのだと。