咲には、2人の姿が完全に見えなくなったところで、この行動に至った理由を説明をしたら、納得してくれた。


それから8時半にステージ前に集合するまで、いい具合に森りんと中田の姿に遭遇することはなかった。


1時間、実際のところ二人がどこで何をしていたのか、少し気になったけれど、射的でとってもらったんだと言って、森りんが嬉しそうに手に持っているクマの形をした貯金箱を見て、充実した時間だったことを感じた。


中田は、他の男子に冷やかされていて、「別になんもねえから!」と強く言っていた。


気になるカラオケ大会の結果発表は、見事中田が奨励賞を受賞した。
ステージ上では、「景品のお蕎麦は一緒に住んでるばあちゃんの大好物なので、一緒に食べたいと思う」と、温かいコメントを残した。


惜しくも受賞ならなかった咲と桜ちゃんコンビは、悔しそうにしていたけれど、また来年頑張ろう!と意気込んでいた。



こうして秋祭りの夜は過ぎていった。