目を大きくさせて、森りんと百合子と顔を見合わせながら、拍手を送った。


選曲はなんと、Shooting starのバラードソングで、いつか中田が教室で口ずさんでいたものだった。

7人それぞれのソロパートを若干、声色や癖を変えながら歌い上げる。


チラリと森りんの方を見ると、うっとりと聴き入っている様子の横顔で、一直線に中田を見つめるその瞳が眩しかった。


曲が終わって、照れたように小さく首を下げてから、ステージを降りた。
中田に私たちの姿は見えていたかな。


「あ、このあと三星さんたちも出るよ」


感動でいっぱいの表情の森りんが千田たちに伝えると、これからくる中田含め、みんなで応援しようということになった。


森りんがくるりと私の方を向いて、「大丈夫かな?」と急に心配そうに聞くので、「何が?」と聞き返すと、「顔とか髪型とか、可笑しくない?」だって。


そういうことね!


「大丈夫、綺麗だよ」

「良かったあ」


ほっと胸を撫でおろす彼女を見て、百合子が何かを勘づいたみたいだ。


男子には聞こえないように、私を挟んで横にいる森りんにぐいっと近づいて言った。


「ね、ひょっとして、森川さんって、中田のこと...」

「う、うん」


森りんが目を伏せて小さく頷いたのを見て、口をオーの形に開いた。


しばらくしたら中田がやって来て、私たちの出現に驚きを隠せない様子だった。


「来てんのかなとは思ってたけどさ...」

と言ってうなじをかく。