「え…いるんだ?誰?」


「あはは、那奈に言ってもわからないよ!高校時代に好きだった人だから…」


そう言うと、少し顔を歪めた。


「まだ、想ってるの…?」


「うん…。忘れるきっかけをくれなかった人だから…さ」


何も告げずに消えちゃったから…。



忘れられずに…心の中に君は、いる。



「新しい恋…しなよ」



「え……?」


低い、暗い声で言われた。


那奈…?