「今まで好き勝手やらせてくれてありがとうございました。俺は、引っ越しに反対しないよ」



そう言うと、二人とも顔を明るくて

“ありがとう”

と言った。


「でも、母さん。高校を卒業したらここの大学を行くよ」


一枚の紙を前に差し出す。


黒く太い文字で一番最初に書いてあった文字。


“松川大学”


の文字。


ここは、父さんの母校。


そして、俺に推薦がきていた大学。