俺は、なにも言えない。


今まで、俺は自由に生きてきた。


野球野球野球の俺に、親はなにも言わなかった。


“勉強しろ”
なんて言われた覚えがない。

野球テレビばっか見ててもなにも言わない。


砂まみれや泥だらけの練習着やユニフォームも、文句言わずに洗ってくれた。



俺のためにしてくれたことはたくさんあった。


けど、親のために俺がしたことは数え切れるほどしかない。


逆らう気なんかない。