ー時宮邸、玄関ー
送られて、家まで帰って来た。
「…じゃ、速めに寝ろよ?」と言う颯斗先輩に私は
「ありがとうございます。」と言って
「調子悪くなったら俺に言うこと。…良いな?」と言われた。
「いえ、そこまでご迷惑をかけるわけには…」と言ったけど、オデコにかなり強くデコピンされた。痛い…オデコを押さえてると
「あのな?目の前でぶっ倒れる方がよっぽど肝が冷えるんだけど。…無茶ばかりしてると体に負担が増えるぞ?そういう時は回りに頼って良いんだ。…時宮は何でも一人で解決し過ぎ。」と私が本気に心配という目で言われた。…学校に入ってから本気で心配してくれる人、お父さんとお母さん位だったから…
「颯斗先輩、ありがとうございます。」と自然に私は笑っていた。
「ん。じゃあな。」とニコッて笑って帰って言った。
颯斗先輩が笑った時、ドキッ!って心臓が大きく動いた気がした。