「宝珠授与が残ってるわ。…鈴美さん。先程渡したものを。」母さんが言うと鈴美は
「はい。」と言って、取り出した物は──その形見覚えあるぞ…まだ早くないか?──それはペアリングを容れる箱で、鈴美から母さんに渡され、それから俺に渡り、「開けなさい」と言われたから開けたらペアリングが鎮座していた。……こっからは分かるよ…たぶん間違いない
「右手出して、」と俺が言うと鈴美は右手を出して小さい方の指輪を鈴美の薬指に通した。…感覚的にはピッタリだな。
逆に鈴美に右手薬指に指輪を通してもらい。……ピッタリだな。流石母さん。
「此れで全工程は終了ね。…もう遅いわ。冬哉、鈴美さんを家に送りなさい」と言ってくれた。
ー鈴美の家にに向かう途中ー
「本当にびっくりしたよ。いきなり、『鈴美さんは許嫁がいて、相手は冬哉よ』って言われたんだもん。」
「俺もびっくりした。…でも、龍人おじさんになんて言おうって考えていたしね。」
「えっお父さんに何言うつもりだったの?」
「結婚を前提としたお付きあいを許して下さい。って」
「えっ!?そうだったの!?…今日はびっくりすることが大きいよ…」
「ごめん。…でも本気だから。…さっ着いたよ。じゃあお休み」と言って別れた。