ー帰りの車内ー
「融資、切っちゃって良かったの?」と雪奏は冬哉に聞いた。
「大丈夫。…元々あの会社、傾きつつあったから早めに切って正解。…それにいじめだなんて人の道をそれている事をしたんだ。雪奏が気にすること無い。…謝らなきゃいけないのは俺たちだよ。…雪奏、ごめんな?気付かなくて…」と冬哉は言った。わたしもやさしく雪奏を抱き締めると
「ごめんね…雪奏。辛かったよね…?」と言うとしゃっくりをあげて泣き始めた。わたしは雪奏の頭を撫でていた。
暫くすると泣き疲れたのか雪奏は寝て、冬哉は家に着いたから雪奏を抱っこするとベットに寝かせた。
ーリビングー
お茶を飲みながら「雪奏は凄いな…」と冬哉は言った。意味が分からなくて首を傾げてると、
「あんな酷いことをされたら普通、力は制御を失って暴走する可能性が高い。…雪奏ほどの力を持ってたらな?…なのに暴走しなかった。俺は最初に〔普通の人に絶対使わない〕と約束したんだ…5年も前の事なのに。雪奏はずっと果たしている。本当に凄いよ…雪奏は。」冬哉は天井を見ていた。…その視線の先は…雪奏の部屋。
「そうね。…わたし、あのときに冬哉に手を握ってくれなかったらきっと我を忘れてたわ…」と言った