そして夏休みの間に私立の有名進学校「呉羽学園(くれはがくえん)」に入った。呉羽学園は小中が合体している学園。雪奏の才能はグングン伸びて知らない内に英語とフランス語が出来ていた。雪奏曰く
「英語はお父さんが仕事中に何度か聞いたのと学校の図書室に面白そうな英語とフランス語の本があったから。」って。
我が子ながら、凄いわ…何でも出来ちゃう雪奏に苛めている子がいると、担任の先生から聞いたわたしは冬哉に相談してみると冬哉は
「分かった。明日学校に行こう。ちゃんと話を聞くべきだ。」と少し怒った声で言った。…多分気付いてやれなかった自分とその子に苛立ちを隠せないと思う…わたしも気付く事が出来ない自分にイライラしてしまった。そして、
ー翌日ー
放課後、学校に冬哉と行き学校の門で雪奏と合流し、談話室に行くと既に先生がいた。軽く自己紹介をしてから、座ってると、苛めている子とその親御さんが来た。雪奏は苛めている子を見ると、冬哉の後ろに隠れてしまった。…人懐っこいこの子が隠れて仕舞うだなんて考えられなかった。
苛めている子の親御さんが信じていない様に
「家の子がいじめだなんてするわけ無いでしょう。」って言った…人の話を聞いてない!言おうとしたとき、冬哉がテーブルの下でわたしの手を握り、大丈夫だ。と言ってくれているような気がした。