ー帰りの車内ー
ミラー越しにチャイルドシートに寝ている雪奏を見て俺は
「まさか、受け身が出来るだなんて…今日は雪奏に驚かせられてばっかりだ。」
「そうね。…まさか冬哉の所に行くだなんて思って無かった…。確か見ていない場所に時空を曲げて行く事は難易度が高いのよね?」と鈴美が雪奏の頭を撫でながら言った。
「あぁ。それに鈴美も知ってる様に〔時宮〕では術を教えるのは6歳になってからだ。…まだ3歳にもなって無いのに雪奏は正確に、しかも走ってる車両に座標指定をして、だからな。…この時点で俺の能力を越えてる。」俺は言うと鈴美はびっくりしてるようで…
「そんなことが…」と言っていた。
「運動神経は俺たちのを継いでるのは分かるが、この力は…コントロールの修行を速めた方が良いのかも知れない。…知らない『一般人』が見たらどうなるか…考えるだけでも恐ろしい…そうならない様に俺たちが導くしかない。」と言った。鈴美は決断出来ないようで、
「大丈夫。元は先代の仕事だが、特殊な例だ。俺が直接指導する。」と鈴美に言った。安心した様で
「うん。よろしくね?冬哉。…でもムリはダメだからね?」と言った。頷きながら俺は心の中で完璧に次期当主は雪奏に確定だな…と考えながら家に向かった。