「冬哉。こんにちは。──改めて、有里鈴美です。よろしくお願いいたします。」間違えなく俺の彼女である鈴美だった。
クスクス笑いながら母さんは、
「小学生の頃ぐらいから冬哉の気持ちに気付いていたから鈴子さん、龍人さん(鈴美のお母さんとお父さん。)に言って鈴美さんと冬哉を許嫁関係にしたの。」びっくりして声が出ない…
「とーやー大丈夫?」俺の顔を覗きこんで手を振っている。…はっ!?
「な、なんで、知ってるんだ!?鈴美!!」驚き過ぎて大きな声が出ていた。
「ちょっと声大きいよ…耳がキーンってなったよ…」
「あ、ごめん。」
「さっきの質問だけど、わたしもついさっき雪子おばさん…ううん。雪子お義母さんに伝えられてびっくりしたんだもの。あと、はい。誕生日プレゼント。」って渡されたのは正方形20㎝の箱。開けて見ると俺の大好きなチョコケーキ(ケーキは好きだけど『鈴美』が作ったという事実が何よりであり…)
「ありがとう。鈴美。早速食っていい?」俺が言うと鈴美はナイフ、皿、フォークを用意してケーキを切って皿に乗っけると、渡して貰った。……うん。旨い。貰った分を1分位で食べた俺は「旨かったよ。」と鈴美の頭を撫でた。
「まだちゃんと終わって無いわよ?」えっ!?母さん?